Windows 7  
疑問 Windows 7のボリュームアクティベーション2.0 (VA 2.0) とはどう言うものだろうか?

 KMS(Key Management Service)を使用する方法!

調査 Windows Vistaよりボリュームライセンス製品(Windows Vista Business Edition,Enterprise Edition、Windows 7 Professional Edition,Enterprise Editionなど)では、ボリュームアクティベーション2.0 という新しいライセンス認証方法に変更されました。
簡単に言うとボリュームライセンス製品でもアクティベーションが必要になりましたが、マイクロソフトに繋いでライセンス認証する必要はなく、ネットワーク上の代理アクティベーションサーバー(KMSサーバー)でライセンス認証を行う方式とのことです。

Windows Vista SP1よりKMSサーバーについて種類(プロダクト キー グループ)が追加になり(詳細はここ)、KMSサーバーでライセンス認証できるWindows エディションが限定されました。
Windows 7についてはKMSサーバーとしてWindows Server 2008 R2 又は、Windows 7 が必要になります。(Windows VistaのKMSサーバーは使用できません。詳細はここ)


早速、Windows 7 Professional Edition,Enterprise Editionが流出したので、KMSサーバーを構築してみましょう。
ここで注意があります。
KMSライセンス認証は25台を超えるコンピュータが組織のネットワークに定期的に接続されている環境を対象としている為、25台以上のクライアントからのライセンス認証の要求がされて初めてライセンス認証が完了します。また、クライアントからのライセンス認証の要求も一定期間(たぶん30日)されないとKMSサーバーのライセンス認証の要求の記録が削除されます。


KMSサーバーの構築
1. Windows 7 Enterprise Edition(Professional Editionでも可)をKMSキー(eOpenにて入手)にてインストールし、ライセンス認証を行います。
 ※ついでに日本語の言語パックも適用しました。
2. ”c:\windows\system32\slmgr.vbs -dlv” にて状態を確認してみると

当然ですが、”現在の数: 0”です。

3. 別途、Windows 7 Professional Editionを”KMS Client Setup Keys”を使ってインストールします。(こちらを参照)
 KMSクライアントのセットアップキー
  Windows 7 Professional : FJ82H-XT6CR-J8D7P-XQJJ2-GPDD4
  Windows 7 Enterprise : 33PXH-7Y6KF-2VJC9-XBBR8-HVTHH


インストール後、コマンドプロンプトを管理者として実行し、代理アクティベーションサーバー(KMSサーバー)を下記の様に登録し、ライセンス認証を行います。
 c:\windows\system32\slmgr.vbs -skms [ip address of kms server]
 c:\windows\system32\slmgr.vbs -ato

”台数が足りない”と言う意味のメッセージがでて、ライセンス認証に失敗しました。

4. 再度KMSサーバーにて”c:\windows\system32\slmgr.vbs -dlv” にて状態を確認してみると

現在の数: 1”になりました。

5. 項目3と同様のことを24回繰り返し・・・・・・(疲れた。)
・・・・・とうとうライセンス認証に成功(^^)

6. 再度KMSサーバーにて”c:\windows\system32\slmgr.vbs -dlv” にて状態を確認してみると

現在の数: 25”になっています。
 
最初にも書きましたがクライアントからのライセンス認証の要求も一定期間(たぶん30日)されないとKMSサーバーのライセンス認証の要求の記録が削除されます。
VMwareを使って日付を一定にするのが便利そうです。

<補足1>
作成したKMSサーバーの時間をVMwareの設定ファイルに”rtc.startTime = "1248706700"を追記することによりWindows上の時計が2009/7/27 23:58にて起動するようにしました。
その状態で、他のWindows 7 Enterprise Editionのライセンス認証を行ったところ・・・・・。


認証に失敗しました・・・。(T_T)
試した所、KMSサーバーの時間とKMSクライアントの時間が5時間ぐらい異なっていると認証に失敗するようです。
とりあえず、KMSクライアントの時間をKMSサーバーの時間にして認証しましたが・・・・、


KMSサーバーのライセンス認証の要求の記録を維持していくのは困難そうですね。


<補足2>
Windows Server 2003R2でのKMSサーバーの構築

Windows Server 2003においてもKMSサーバーが構築できるそうですので、試してみました。
 ※Windows Server 2003は、Service Pack 1以降のバージョンが必要です。

1. Windows Server 2003 R2をインストールします。
2. Windows Server 2003用のキー マネージメントサービス (KMS)をインストールします。
キー マネージメントサービス (KMS)には下記のバージョンがあり、バージョンによりライセンス認証できるOSが異なります。
 @KMS1.0 : Windows Vista(SP無し) が対象OS
 AKMS1.1 : Windows Vista(SP無し、SP1), Windows Server 2008 が対象OS
 BKMS1.2 : Windows Vista(SP無し、SP1、SP2), Windows 7, Windows Server 2008(SP無し、SP2), Windows Server 2008 R2 が対象OS

今回は、Windows 7を対象OSとしたい為、KMS1.2をインストールしますが、KMS1.2をインストールする為には、KMS1.0が必要とのことです。
KMS1.0を探しましたが見つからず、KMS1.1とセットになっていましたので、KMS1.1及びKMS1.2を用意しました。(KMS1.1はここ、KMS1.2はここ)

まず、KMS1.1に含まれるKmsw2k3.exeを実行します。

Kmsw2k3.exeが完了したら次に、KMS1.2のWindowsServer2003-KB968915-x86-JPN.exeを実行します。

再起動を要求されますので、再起動を行うとインストール完了です。

3. 次にKMSサーバー用のプロダクトキーをコマンドプロンプトにてインストールします。(KMSサーバー用のプロダクトキーはeOpenにて入手)
 c:\windows\system32\slmgr.vbs -ipk <プロダクトキー>

そして、KMSサーバーとしてライセンス認証を行います。ライセンス認証はコマンドプロンプトにて下記を実行します。
 c:\windows\system32\slmgr.vbs -ato

”c:\windows\system32\slmgr.vbs -dlv” にて状態を確認してみると

KMSサーバーとして稼動しているようです。
現在の数: 0”になりました。

4. 前述した通り、 KMSライセンス認証は25台を超えるコンピュータが組織のネットワークに定期的に接続されている環境を対象としている為、25台以上のクライアントからのライセンス認証の要求がされて初めてライセンス認証が完了します。(Windows Vista, Windows 7 の場合)

そこで、今回はVMwareにてクライアントを25台用意してみます。
インストール時間・ハードディスクの使用容量を考慮して、Windows Server 2008 Standard Editionを"Server Core インストール"にて行いなす。

インストールの所要時間は15〜20分程度で、ハードディスクの使用容量は1.5GB程度です。
インストール後の画面は、コマンドプロントのみになりますので、下記を実行してライセンス認証を行います。
 c:\windows\system32\slmgr.vbs -skms <KMSサーバーのIPアドレス> ※今回は、"192.168.1.5"
 c:\windows\system32\slmgr.vbs -ato

Windows Server 2008の場合は、5台以上のクライアントからのライセンス認証の要求がされて初めてライセンス認証が完了します。


5. 項目4と同様のことを24回繰り返し・・・・・・(疲れた。)
KMSサーバーにて”c:\windows\system32\slmgr.vbs -dlv” にて状態を確認してみると

現在の数: 25”になっています。

6. 試しにWindows 7 Enterprise Editionのライセンス認証を行ったところ、無事にライセンス認証が行われました。


7. 結果として、VMwareにて用意したクライアントは、25台分で約37.3GBになりました。






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